シロアリにも天敵はいるのでしょうか?
実はシロアリにも天敵は存在しています。
天敵を使った駆除方法も存在していました。
どんな天敵がいるのか、代表的な天敵を紹介します。
この記事を読めばシロアリの天敵を知ることができます。
ぜひ最後までご覧になっていただければ嬉しいです。
シロアリは弱くて栄養価が高いが天敵だけでは駆除できない
シロアリは、生態系のピラミッドの中では底辺にいます。
木質を栄養とする数少ない昆虫です。
木質を栄養とすることと同時に土壌を介して、外部に出ないという生態をしています。
そのため、外敵とできるだけ戦わないで済むことができています。
兵隊アリは集団の中に存在していますが、アリやクモなど完全な肉食昆虫には全くかないません。
兵隊アリは集団を活かすための犠牲になるような役割なので全面戦争のように戦う場面ではあっという間にやられてしまいます。
シロアリは良質なたんぱく源として他の昆虫にとってはとても質のいいエサとなります。
シロアリは集団で生活をしている昆虫ですが、木材や土壌中に生息をしているため巣の中に潜り込んですべてを駆逐するまで食べまくるという天敵は存在しません。
シロアリの天敵 ツバメ
シロアリは一年に一度、集団の一部、数パーセントがハネアリとなって飛び立ちます。
これを群飛(ぐんぴ)または、スウォームといいます。
そのハネアリをねらって、鳥が捕食をします。
ちょうどツバメが日本に来る時期と重なるため、住宅がシロアリに食べられてハネアリがでるとツバメが集まるという現象が起きることもありました。
鳥類にとってはハネアリは栄養価が高い貴重なたんぱく源となります。
ただし、ハネアリを食べることはあっても木材の中にいるシロアリを食べることはありません。
よって、ツバメがシロアリを駆除をしてくれるということはありません。

シロアリの天敵 カエル
ツバメと同じように、ハネアリがたくさん飛び立ったあとはカエルなど昆虫をエサにしている生き物はハネアリをねらって餌にします。
ただし、カエルもツバメと同様に木や土壌中にいるシロアリは捕食することができないためシロアリを完全に駆逐するまでには至りません。
あくまでハネアリのみが対象です。

シロアリの天敵 オオハリアリ
シロアリを好んで捕食する昆虫がいます。
それはオオハリアリというアリです。
しかしこのオオハリアリは毒針を持つアリです。
国産のアリですが、じつは日本にヒアリが来ているように海外に生息域を広げて生態系のバランスを崩してしまっています。
オオハリアリはシロアリを好んで捕食し、場合よってはシロアリが生息をしている場所の近くに巣を作ることもあります。
オオハリアリがいれば、シロアリが完全にいなくなるかというと完全駆除は難しいでしょう。
むしろ毒針をもつオオハリアリを多数生息させることがちょっと怖いです。
シロアリの天敵を利用した駆除方法 土壌糸状菌
実は、シロアリの天敵を利用した駆除剤が販売されていました。
残念ながら現在は販売されていません。
丸和バイオケミカル㈱が販売をしていました「バイオブラスト」という商品です。
この「バイオブラスト」は土壌糸状菌を用いた、シロアリの駆除剤です。
化学薬品を一切使用しない、数少ない天敵を用いた駆除剤でした。
しかし、現在の化学薬品は安全性も高く使い勝手もよかったので、あまり出回らず現在は手に入れることができません。
「バイオブラスト」は、米国エコサイエンス社が開発した土中の土壌糸状菌を利用したシロアリ駆除剤で 土壌糸状菌に感染したシロアリが、菌に体内の栄養を奪われ、3〜14日で死亡するという駆除剤でした。

まとめ 天敵は多くいるが駆除はできない
シロアリは栄養価も高く、多くの天敵から捕食対象となります。
しかし、木材中や土壌中のシロアリに対して完全に駆逐するまで捕食をし続ける天敵は存在していません。
シロアリを天敵のみで駆除するということは現時点での方法はないというのが現状です。
ご自身でシロアリ駆除をやろうとしている方は「市販品でシロアリ駆除はできるのか?プロが回答します」という記事をご覧ください。