ゴキブリ用駆除剤ベイト剤をもしペット(犬・猫)が誤飲してしまったら…
と考えると怖いですよね。
本記事では万が一、誤飲した場合の危険性と対処方法を解説していきます。
飲み込んだ場合は大丈夫なの?
先に結論からです。
トイプードル(5㎏)が誤飲した場合の、想定される致死量はブラックキャップ4.85個です。
ブラックキャップ自体、食べると美味しくないような加工がされていますのでそもそも食べることはないと思われますが…
それでも、プラスチック容器もかみ砕いて食べてしまったり、それ以外の様々な要因があったりしますので、1つでも誤飲してしまったら動物病院にかかることをおすすめします。

毒性数値の根拠 算出方法
殺虫剤のほとんどはSDS(安全データシート)が公表されていて、あらゆる毒性数値がわかります。
ブラックキャップの殺虫成分は「フィプロニル」という成分です。

このSDSには、急性経口毒性が数値として記載されています。
急性経口毒性とは、1㎏あたりの口から摂取した場合過半数が致死する毒性数値、つまり食べた場合の過半数以上が致死する量の数値です。
SDSには急性経口毒性は97mg/kgと記載されています。
急性経口毒性は1kgあたりの単位になります。
ですので5㎏のペット(犬)の場合、体重5㎏をかけると485mgが過半数致死量となります。
それでは、ベイト剤にふくまれる成分量はどのぐらいなのでしょうか?
ブラックキャップ1個当たり2gですがそのうちフィプロニルは0.05%含有されていますので、1個当たり100mg含有されていることになります。
致死量100gですので、ブラックキャップ4.85個相当が過半数致死量の数値となります。
というわけで確実な致死量を摂取するにはブラックキャップ4.85個食べなければいけないことになります。
さすがにそこまで食べることはないですよね…
ゴキブリ用ベイト剤を誤飲した場合の対処方法
誤飲、誤食した場合は動物病院にかかりましょう。

え?致死量は4.85個だから大丈夫じゃないの?
単純な数値からみれば安全性は問題ないかもしれませんが、ベイト剤をいれてあるプラスチック容器がかみ砕いたときに鋭利な破片となって体内に刺さる可能性もあります。
さらに言うと動物ごとに殺虫剤に対する感受性も変わってきますので、どれだけ影響があるかは実際のところ分かりません。
できるなら動物病院で診てもらうようにしましょう。
製造元や安全データシートの見解
製造元や安全データシートの公式な対処方法はどうなっているのでしょうか?
まず製造元からです。
Q 子供が容器を触っていた(なめてしまった)のですが、大丈夫?ペットが食べてしまったのですが、大丈夫?
A 以下を参考に対処ください。
<容器を触ったり、なめてしまった場合>
容器を触ったり、なめた程度であれば問題ありません。
有効成分のフィプロニルは非常に微量であり、また、それ以外の配合成分は、小麦粉など食品に用いられるものや食品添加物に類するものですので、なめた程度であれば問題はありません。また、誤食防止として、安息香酸デナトニウム(口に入れた瞬間に非常に苦味を感じ、口に入れておくことができない)を混ぜているため、大量に摂取することはないものと思われます。
<食べてしまった場合>
食べてしまった場合は、次のように対処ください。
・食べた量が1~2個の場合・・・牛乳や水を飲ませて、そのまま様子を見てください。
・食べた量が3個以上の場合・・・牛乳や水を飲ませて、念のため、本製品がフィプロニルを含有する製剤であることを医師または獣医師に告げて、診療を受けてください。
アース製薬公式HPより引用
公式HPでは1~2個程度でしたら、牛乳や水を飲ませて様子を見てくください、とあります。
また、そもそも誤飲や誤食されにくいように苦味成分が添加され食べにくいように加工されていますね。
SDS(安全データシート)はどうなっているのでしょうか?
飲み込んだ場合
口をすすぐこと
直ちに医師に連絡すること
安全データシートより引用
とあります。
1~2個程度でしたらよっぽど大丈夫でしょうが、念のため病院にはかかったほうが間違いないでしょう。
各メーカーごとの急性毒性数値の一覧
各メーカーごとのゴキブリ用ベイト剤の急性経口毒性、過半数致死量をまとめました。
- ブラックキャップ 4.85個
- ホワイトキャップ 19個
- コンバット 94.25個
コンバットは殺虫成分自体の安全性が高いためかなりの数を誤飲しないと致死量まで達することはないでしょう。
とはいっても94個は誤飲のレベルではないですよね。
まとめ ゴキブリ用ベイト剤は数個なら大丈夫
1~2個なら誤飲をしてもよっぽど大丈夫です。
ブラックキャップがゴキブリに対して効果が高い分、有効成分自体の毒性数値は高いのも事実です。
ただし、そもそも食べられにくい加工がされているので、自ら好んで食べるということは考えられにくいです。
とはいえ万が一誤飲、誤食があれば病院にかかることをおすすめします。